アメリカで生食用の生卵を買わなくなった理由

アメリカで生食用の生卵を買わなくなった理由

 

 

日本人が好きな卵かけご飯。アメリカに来ても生卵を食べたくなりますが、アメリカには生卵を食べるという文化がなく、ほとんどの卵はサルモネラ検査や処理も施されていません。

こうした状況の中でも、アメリカで生卵を食べるコツを紹介します。

 

日本の生卵が安全な理由

鳥のお尻にはサルモネラ菌がたくさんいて、そこから卵が出てくるので、海外の卵の殻にはサルモネラ菌がたくさんついています。

日本ではなぜ大丈夫なのかというと、殻をきちんと消毒してあるからです。また、卵は多くの場合常温で売られていますが、それは、冷やした状態から常温にした時に殻に水滴がつかないようにするためです。水滴がつくと、殻に残ってしまったサルモネラ菌が増殖しやすいからです。さらに、ちょっとでもひび割れがあるとそこからサルモネラ菌が中に入るリスクがあるので、そのような卵は販売されません。

このように日本はかなり安全基準が高いので、日本の市販の卵は99・9%以上大丈夫とのことです。

 

 

アメリカの現状

2002年の資料ですが、アメリカでは年間におよそ69億個の卵を生産していて、その中でサルモネラ感染しているものは230万個と考えられています。確立で言うと0.03%、およそ4000個に1個の割合です。

そして上記したように卵内に侵入しているサルモネラ菌も冷蔵庫程度の低温で管理しておけば健康な成人が中毒症状を起こすほど増殖することもまずないというのに、アメリカでは年間に140万人とも言われる人がサルモネラ食中毒を発症しています。理由は、低温環境で繁殖を抑えられても、15から40度の環境で激しく増殖するからです。。。

 

 

 

アメリカで生食用の生卵は買えるか?

ほとんどの卵は、生食用ではありません。ただ、一部の卵は生で食べれます。

それが、「Pasteurised Egg」です。この玉子は予め低温殺菌されているのです。

このタマゴを売っているお店はこちらで探せます。地元のスーパーでも見かけます。

 

ちなみにですが、よく「Pasture Raised Egg」という卵を見かけますが、これは全く別物ですので絶対間違わないようにしてください。なぜなら、Pasture Raised Eggは、人工肥料ではなく牧草で育てたニワトリの卵」という意味なので、サルモネラ菌対処はされていません。「Pasteurised」と間違えないように気をつけてください。

 

 

生食用の生卵を買わなくなった理由

「Pasture Raised Egg」ですが、これは低温殺菌処理が施された卵です。が、単価で考えると普通の卵に比べて2倍近く高いです。もちろん卵かけご飯に使えるというのは貴重ですが、あくまでサルモネラ対処されただけの卵であり、もちろん卵かけご飯用に作られたものではありません。よって、日本の卵と比べると、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。。。

 

ちなみに、Pasuture Raised Eggも要は低温殺菌されているだけです。サルモネラ菌は、60度程度の温度で5分から10分。100度以上で数秒加熱しなければ死にません。なお、60℃20分の加熱でほとんど死滅するという報告があります。

60℃を20分間ずっと持続するには、一般の家庭では非常に難しいかと思います。とはいえ、100℃以上になると、白身が固化してしまうという問題もあります。

しかし、この問題は過去の話となりました。理由は簡単に低温調理できる電化製品が浮上したからです。

 

救世主

Anovaを購入してから、生卵の問題が一気に解決しました。この製品のすごいところは、調理温度・時間を簡単に設定できるところ。なんと0.1℃単位で温度を設定できるのです。

 

 

これなら60℃20分も簡単に設定して、安心して卵を低温殺菌できます。もともとAnovaはローストビーフなどの低温調理用器具として開発されたもので、卵の低温殺菌以外にも幅広い調理で使えることができます。

しかも、現時点では日本よりアメリカの方が安く購入できます。

Pasteurisedよりも安く、かつ美味しい生卵がいつでも手にはいるのは、たまご好きにとっては非常にありがたいことです。